六大学野球春連覇を狙った慶大野球部であったが、天王山の早慶戦で連敗を喫し、早大の優勝を目前で見ることとなった。慶大は1試合でも負けると優勝の可能性がなくなる状況で東大戦、立大戦に連勝。続く早大戦では優勝決定戦を含めた3連勝が必要であったが、早大の安定感した投手陣を打ち崩すことができず、慶大は春季リーグを3位で終えた。
(池田勇輝・高野祐也・日沖翔大・安田直人)
***
東大戦① 先月2日 ○8―0
投打噛み合い貴重な1勝
明大戦で勝ち点を得て、迎えたこの試合。勝って勢いに乗りたい慶大は、東大との第1戦で白星を挙げた。
0―0で迎えた2回裏、慶大打線は、一死から重田(環3)が四球で出塁し、沓掛(商3)もそれに続き、得点圏に走者を進めると、山本泰(環4)からの4者連続適時打などでこの回一挙5点を挙げる。続く3回裏にも横尾(総4)の安打、重田の四球でチャンスを広げると内野ゴロの間に1点を追加する。
さらに6―0で迎えた5回裏には、この回から変わった東大の関から、この回先頭の重田が四球で出塁すると沓掛の適時打、小笠原の犠牲フライで2点を追加し、攻撃の手を緩めない。守っては先発の加藤拓(政3)が6回を無失点に抑え、7回からは加嶋(商4)が3回無失点に抑えるなど圧巻の投手リレーで東大打線を零封し、反撃を許さなかった。
早い回で東大先発山本俊を攻略した慶大は、投打が噛み合い、8―0で東大との第1戦を白星で飾った。
東大戦② 先月3日 ○9―2
打線火を噴き大差で勝利
昨日の快勝の勢いそのままに臨んだ東大第2戦。慶大打線は14安打9得点の大暴れ、終わってみれば9―2の大勝で東大から勝ち点を奪った。
初回、連続四球で1、2塁とすると谷田(商4)の3点本塁打で先制。2回にも小笠原(環4)、照屋(環2)が安打で出塁すると梅野(環4)の中前にポンと落とす技あり適時打で1点追加。東大先発の辰亥をマウンドから引きずりおろす。
4回、一死満塁から投手ゴロの間に1点追加。続く2、3塁の場面で沓掛(商3)の今期初本塁打で3点を追加。5回にも照屋、梅野の連続安打で1点を追加する。
慶大の先発は三宮(商4)。初回からスムーズな立ち上がりで東大打線を寄せ付けない。4回に2死2塁から安打で1点を失うものの後続を抑えてこの場面をしのぐ。6回には1死2塁から自身への内野安打と一塁悪送球で1点を失うも、6回2失点と先発投手の役割を果たす。7回から登板の小原大(環3)は2回無失点の好投。7点差で迎えた最終回は昨日先発の加藤拓(商3)が圧巻の投球を見せ、三者凡退で試合終了。慶大は優勝への望みをつないだ。
立大戦① 先月16日 ○6―5
乱打戦制し優勝に望み繋ぐ
春季リーグ連覇にはもう1敗も許されない慶大。立大1回戦は慶大が乱打戦を制し、6―5で勝利した。
慶大先発の三宮(商4)はこの日は苦しい立ち上がりだった。2回に立大の佐藤拓に適時打を許すなど3点を先制される。
すぐさま反撃に出たい慶大打線はその裏、山本泰(環4)の右中間三塁打と続く小笠原(環4)の犠飛で1点を返す。
3回には沓掛(商3)の適時打と山本泰の犠飛で同点に追いつき、序盤に難敵・澤田圭を攻略する。
4回からは加藤拓(政3)にマウンドを託す。この回を3者凡退に切って取るとその裏、先頭の加藤が左翼席に勝ち越しの本塁打を放つ。さらに1点を追加する。
加藤は8回まで被安打3、無失点と快投を見せる。打線も7回に沓掛の適時打で1点を追加し、慶大はリードを3点に広げる。
最終回、立大も粘りを見せる。連打で加藤を攻めたてると、豊村と田中和の適時打で1点差まで追い上げる。しかし、最後は加藤が踏ん張り、慶大が勝利を手にした。
立大戦② 先月17日 ○2―1
盤石リレーで接戦制す
優勝へ向け正念場の立大第2戦は、盤石の投手リレーを見せた慶大が接戦を制した。
連勝で優勝への望みを残したい慶大は、神宮でいまだ自責点なしの小原大(環3)を先発のマウンドに送る。小原大は4つの四死球を与えるなど制球に苦しむが、粘りのピッチングでホームを踏ませない。3回無失点で試合を作り、先発の役目を果たしマウンドを降りる。
打線は2回表、立大先発の田村を打ち崩し、1死2、3塁から小笠原(環4)の内野ゴロの間に1点を先制。5回表には好調の梅野(環4)が四球で出塁すると、すかさず二盗を決める。続く横尾(総4)がレフト前適時打で確実にランナーを帰し追加点を奪った。
投げては小原大の後を受けた三宮(商4)が3回を投げて無四球、被安打1の好投を見せる。7回からは加藤拓(政3)がマウンドを引き継ぎ、途中バッテリーエラーで1点を失うものの後続を断ち試合を締めた。
慶大は5イニングで先頭打者が出塁するなど、常に主導権を握ったまま試合を進めた。
早大戦① 先月30日 ●0―4
完封負けで優勝の道閉ざす
優勝の為には連勝しかない慶大であったが3安打無得点と打線が奮わず0ー4で敗北し、早大の優勝が決まった。
慶大先発の加藤拓(政3)は初回から150㌔超のストレートを連発。しかし4回、今季首位打者の丸子に2塁打を浴び、連続四球で満塁とされると、犠打で先制を許す。7回にも河原に適時2塁打を浴び2点目を失うが、先発投手の役割を十分に果たした。
慶大打線は今季最優秀防御率の早大・大竹の前に8回まで加藤拓の1安打のみに押え込まれる。
8回、丸子が再び2塁打を放ち、この回から登板の三宮(商4)を攻め立てる。三宮は失策で出塁を許すと、道端にも2塁打を浴び2点を失う。依然無死2塁のピンチで慶大は小原大(環3)にマウンドを託すと、見事無失点で切り抜ける。
9回、慶大は先頭の小笠原(環4)、代打の北村(商4)が連続安打で無死1、2塁とこの試合最大のチャンスを迎えるもその後が続かず2死。谷田(商4)が追い込まれてから驚異の粘りを見せるも最後は中飛で試合終了。
早大戦② 先月31日 ●2―7
宿敵相手に連敗
前日に早大に優勝を決められた慶大。勝利を収め、陸の王者の意地を見せたいところであったが2―7で敗北した。
今季初先発の慶大加嶋(商4)は2回、小島の適時内野安打で先制を許す。
慶大はその裏にすぐさま小笠原(環4)の適時打で同点に追いつく。
しかし続く3回、早大の丸子に適時打を許し、再び追う展開となる。
何とかしたい慶大打線であるが、早大先発の小島を攻略できない。
すると早大は5回、この回からマウンドに上がった小原大(環3)を攻め立て、茂木の適時3塁打で1点を追加。さらに、代わった亀井(商2)から中澤が適時打を放ち、慶大はリードを4点に広げられる。
流れを変えたい慶大は6回から三宮(商4)を投入。6、7回を無失点に抑える好投を見せた。
三宮の好投に応えたい慶大打線は7回、代打北村(商4)の適時打で1点を返す。しかし9回に加藤拓(政3)が茂木の適時2塁打とバッテリーミスにより2点を失ってしまう。
意地を見せたい慶大はその裏、先頭の代打原田直(商4)が安打で出塁するも後が続かず試合終了。早慶戦で2連敗を喫した。