リベラル・アーツ教育を説く
先月20日、日吉キャンパス来往舎シンポジウムスペースで、法学部と教養研究センターの共催による講演会『超一流リベラル・アーツカレッジの教え方』が開かれた。
講師に迎えられたのはダートマス大学教育振興センター所長で政治学部教授のリサ・バルデス氏。アメリカのリベラル・アーツカレッジの一つであるダートマス大学で実践している教育について語った。なお、本講演会は文部科学省推進の「スーパーグローバル大学事業」の支援を受けている。
ダートマス大学では、「アクティブラーニング」という、学生が積極的に授業に参加する教育手法を取り入れている。教員からの問いかけに対し、「自分自身で考える(think)→隣の人と意見を交換する(pair)→全体に向けて発表する(share)」、「学んだことを再考する(reflection)」といったアクティビティを通して主体的な知の獲得を目指す教授法の例などが紹介された。
「アクティブラーニング」の目的は与えられた問題を自分の経験と結びつけ、他人の意見を聞き多様な視点を持った上で問題解決に取り組むことだ。これは、教員が大教室で教壇に立ち、学生に対して一方的にレクチャーする従来の授業の概念とは対照的である。「アクティブラーニングは、特に数学や工学などの理系科目の授業で効果をあげたという報告もある」とバルデス氏はこの教育手法の有効性を強調した。
講演会では、参加者が実際に「アクティブラーニング」を体験する場面もあった。バルデス氏の問いかけに対する自分自身の答えを周辺の人と交換し、発表した。参加者は学生から教職員、一般の人々まで多岐にわたり、おのおのが積極的に意見を述べる姿が見受けられた。