全国の壁厚く2回戦で敗退

3年ぶりにインカレに出場した慶大は1回戦で福山大と対戦。悪天候の中、慶大は攻守ともに福山大を終始圧倒し、2―0で2回戦に進出した。しかし、関西リーグ王者の阪南大との対戦では相手の猛攻をしのぐことができず、0―3で完敗を喫し、2回戦で姿を消した。インカレ優勝を目指しリーグ戦、プレーオフと勝ち進んできた慶大だったが、ベスト16で今季の戦いを終えた。 (八木理志・安田直人)

福山大戦でアシストを決めた端山(総3)
福山大戦でアシストを決めた端山(総3)

【福山大戦】先月11日 ○2-0 安定した守備で 1回戦突破

強風と降雨というコンディションの中、慶大は前半8分、MF端山のパスを受けたFW山本がシュートを決め幸先よく先制する。その後も慶大は攻めの手を緩めない。選手間の距離が開きがちな福山大の守備をかいくぐり再三チャンスを演出する。

迎えた後半では風上のアドバンテージを生かし守りに入らず追加点を狙い、CKやFKを多く獲得する。守備面では、不在のMF増田に代わってキャプテンを務めたGK峯を中心に、安定したディフェンスで決定機を与えない。終始集中力を切らすことなく攻守で福山大を圧倒し、終了間際にDF宮地のゴールで勝利を決めた。

試合後須田監督は「1年間やってきたことが実行でき勝利につながった」と語った。

【阪南大戦】先月14日 ●0-3 猛攻阻止できず ベスト16で敗退

序盤から攻められる慶大。開始直後に相手のFKから早くも失点してしまう。その後慶大は5枚のディフェンスで阪南大の攻撃を防ぐ時間が続く。阪南大は慶大のディフェンスに対し縦への素早い攻撃を見せ、ボールを奪わせない。時折チャンスが来るも、シュートが枠をとらえることができず、なかなか得点を奪うことができない。すると逆に阪南大にサイドを崩され、守備陣がこの勢いを止めることができず追加点を決められる。慶大は前半、終始攻められる形となり、0―2で折り返した。

後半から慶大はMF端山(総3)に代わりMF小林(環4)を入れる。しかし、またも開始直後に相手にシュートを決められ、0―3としてしまう。なおも阪南大の猛攻は続き、53分にDF宮地(総2)に代わってFW平戸(法4)を投入することでDFを4枚にしフォーメーションを変え、相手ゴールに迫ろうとするも、相手DFの落ち着いた対応の前に屈し反撃できない。FW山本(政2)らも果敢にゴールを狙うが決められず、86分に浅間(理4)に代えて澤根(商4)を入れるが効かず、そのまま0―3で試合終了。慶大はベスト16で姿を消すこととなった。


4年生引退試合インタビュー

MF浅間翔大
「相手の方が一枚上手で、関東リーグで戦ったどんな相手よりも阪南大は強かった。下積みの苦しいシーズンが続いたが今年そこで得たものを出せた。後輩には今シーズン果たせなかった日本一を達成してほしい」

DF並木凌介
「今日は試合に出られなかったが、仲間たちを信じて観戦していた。この1年副キャプテンとしてできたことがあったのか分からないが、慶大でプレーできたことは本当によかったと思う」

FW平戸奨眞
「途中交代で得点を狙っていたが1点が遠かった。関東リーグだけではできない経験ができた。ついてきてくれた後輩に感謝している。あの年の悔しさがあったから優勝できた、と言えるようなシーズンを送ってほしい」

GK峯達也
「1年間守備を重視してやってきたが、相手に上回られてしまった。4年間いろいろな経験をさせてもらって感謝している。後輩には言葉にしないが、ここで感じたことを活かしてほしい」

DF保田隆介
「阪南大は強かった。日本一を目指すにはまだまだ足りないものがある。慶大生には謙虚さを失ってる面があると感じたので、足元を見て頑張ってほしい」

MF山浦新
「今日の試合は本当に残念。相手の攻めに対応できなかった。自分がもう少し攻められたらと思うところもあった。自分たちでは成し遂げられなかった優勝を後輩たちには来年してほしい」