本紙11月号では「授業制度の是非を問う」と題して、塾生462人にアンケートを行いました。その結果を慶應義塾の学生部に提出し、授業制度、4学期制の導入、海外留学制度について、文書での回答をもらいました。なお、アンケートの結果はこちらで公開しています。

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授業制度について

全体として、「不満がある」と回答した学生が「満足している」を上回っている点は、残念であると思いますが、その理由を見てみると「いいえ」が「はい」を上回っている回答は「授業環境」のみであり、「教授」「講義内容」が満足度を高める要素となっている点については、義塾の「教育」であり「人」が評価されているのではないかと推察します。また、少人数授業を望む声が目立つのも塾生の学業に対する意識の高さが感じ取れます。

学期制度について

4学期制が導入されていない学部学生からの意見も混在していますが、この質問に対しては「海外へ留学しやすくなるから」という意見が一定数寄せられることは、ある程度予想できました。機会を生かして海外で積極的に学んで欲しいと思いますし、制度導入前後でどのように学生が感じるのかにも興味があります。その他、「年間を通じて自由な時間を多く作れるから」「短期間で集中して授業を受けるので効率がよい」という意見から、ある科目を集中的に学習することによる効果を挙げている点にも注目しました。反対理由として「授業進度の速さ」や「テストの対策が困難」を挙げている意見も出ていますが、そのような点で苦労した分、今後の学習効果が出る可能性も考えられます。

海外留学について

マスメディアなどで若者の内向き志向が話題になる中、多くの塾生諸君が海外留学に興味があるとの結果は喜ばしいことです。国際センターでは、現在提供している9つの質の高い短期海外研修プログラムの他、今後はテーマやレベル、料金など、より多様なプログラムを提供できるよう準備を進めています。交換留学の派遣先の拡充にも努めており、また、各学部・研究科独自の国際教育プログラムも増えているので、これらも併せて活用してください。金銭的な理由で留学に興味を持てない場合は、近年、学生の海外留学派遣のための奨学金が増えつつあり、国際センターのウェブサイトなどでもいろいろ紹介しているので是非参考にしてください。

全体を通して

義塾がスーパーグローバル大学等事業に採択され、グローバル人材の育成に一層力を入れていこうとしているこの時期に、海外留学や4学期制といった視点でアンケートを実施したことは、これまで関心の薄かった塾生もグローバル化について考える機会になったと思っています。4学期制や海外留学の今後は、「授業の満足度」と「予習・復習時間」や、「海外留学への興味」と「4学期制の影響」等をクロスした集計結果なども見られるとさらに興味深い結果も出るのではないかと期待します。