塾員の投票率は30%
4年に1度行われる慶應義塾の卒業生評議員選挙が行われ、先月31日に結果が公表された。評議員とは慶應義塾の最高議決機関である評議員会の構成員である。最大101人の定員のうち、30人が卒業生評議員として、塾員による直接選挙で選ばれる。
慶大の学部または大学院を卒業した者で、25歳以上の塾員に卒業生評議員の被選挙資格がある。理事会の推薦による候補者のほか、100人以上150人以内の塾員の署名を集めることによって立候補することもできる。なお今回の候補者は、56人のうち全員が理事会からの推薦だった。
原則すべての塾員が投票資格をもつ。約35万人いる塾員のうち、住所が判明している約30万人に、投票用紙が送付された。投票率は約30%で、10万人弱の塾員からの投票があった。
通常、学校法人における評議員会は理事会の諮問機関として設置されている。だが義塾の場合には、理事会の上部組織として評議員会があり、最高議決機関として定められていることが特徴だ。
そのため、卒業生にとって義塾の運営に関与できることが大きな魅力となっている。慶應義塾の総務部によれば、「義塾の事業計画策定や予算決定に参画し、母校をより良くしたいという思いで評議員になる人が多い」という。2か月に1度開かれる評議員会では活発に議論が行われており、多様な分野で活躍する塾員が集まった交流の場ともなっている。
義塾にとっては4年に1度卒業生に投票用紙を送付することで、卒業生の住所を確認できる。そのため、卒業後も社中の絆を保つことができているという。
今回選ばれた第34期評議員の任期は今月1日からの4年間。次回の選挙は2018年に行われる。