6季ぶりの悲願達成
華の早慶戦が先月31日、今月1日に行われた。勝ち点を奪取した方が優勝となる今季の早慶戦にて慶大野球部は先月31日の初戦は先発加藤拓の好投と竹内惇の逆転2点本塁打もあり、2―1で勝利。続く1日の第2戦は初回に4失点を許しながらも、乱打戦の末、8―6で逆転勝利を収め、連勝で2011年春季リーグ以来6季ぶり34回目のリーグ優勝を達成した。慶大は東京六大学野球連盟の代表として10日から始まる全日本大学野球選手権にて大学日本一を狙う。 (上井颯斗)
早慶戦第1戦は慶大加藤拓(政2)と早大有原による息詰まる投手戦となった。
試合が動いたのは5回。2死ながらも二塁三塁のピンチを迎えると、加藤拓が痛恨の暴投。バッテリーエラーから早大に先制点を与えてしまう。
慶大1点ビハインドで迎えた7回表、藤本知(環4)が出塁し、同点の走者を出す。続く今季好調の竹内惇(商4)が有原の速球を捉え、ライトスタンドへ逆転の2点本塁打を放ち、慶大が勝ち越しに成功する。
先発の加藤拓は5回の失点以降は早大に隙を与えず、完投。慶大が2―1で初戦を制した。
続く第2戦は前日と打って変わって乱打戦となった。
慶大は今季初めて三宮(商3)を先発で起用。しかし初回に早大小野田に3点本塁打を浴びるなどし、いきなり4失点を喫してしまう。
しかし慶大打線は直後の2回に藤本知の2点本塁打、佐藤旭(商4)の2点適時打など一挙6点で逆転に成功する。この後、同点に追いつかれるも、6回に谷田(商3)の本塁打で再度勝ち越すと、7回には竹内惇の適時打で試合を決定付けた。最後は前日に完投勝利を挙げた加藤拓が3回を無失点に抑え、8―6で勝利。慶大が6季ぶり34回目のリーグ優勝を果たした。
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江藤助監督は優勝インタビューにて「今年は打のチーム」を目標に掲げていたと語ったが、今季はまさに「打のチーム」を体現したようなチームであった。谷田、横尾(総3)、藤本知、竹内惇の強力な中軸を武器に、1試合平均5得点、チーム打率も0・270という打ち勝つチームを作り上げた。
また投手陣も防御率2・38でリーグトップの成績を残した。エースに成長した加藤拓は早大有原など今年のドラフト1位候補を抑えてリーグ最優秀防御率に輝いた。このほか終盤に打ち込まれてしまったが、リリーフで三宮が好投するなど個人の活躍が光った。
投打が噛み合った今季の慶大野球部。次は全日本大学野球選手権で大学日本一を狙う。前回の出場は、決勝で延長の末、東洋大に敗れ準優勝に終わったが、今度こそ日本一の栄冠を掴みたいところだ。慶大の初戦は今月11日。神奈川大と西日本工大の試合の勝者と対戦する。