11月8日、慶應義塾創立150年記念式典が、日吉キャンパス陸上競技場で挙行された。式典の様子は三田キャンパス、湘南藤沢キャンパス、大阪会場(堂島リバーフォーラム)の3会場で同時中継され、インターネットによる配信も並行して行われた。慶應義塾出身である俳優・石坂浩二さんとフジテレビアナウンサー・遠藤玲子さんの司会の下、来賓・招待者、塾生、塾員等、約1万2000人以上が一堂に会し、創立150年を祝した。

(望月洸)

安政5(1858)年、江戸築地鉄砲洲(現在の東京都中央区明石町)に福澤諭吉が蘭学塾を創設。以来150年間、慶應義塾は「全社会の先導者たらんことを欲するものなり」という気概のもと、あらゆる分野に渡り社会に貢献してきた歴史がある。

当日は三部構成で、「式典」に先立ち12時より「式典前プログラム」が開かれた。13時から「式典」、続いて「未来先導宣言」がなされた。

式典前プログラムでは、各会場の様子や前日に行われた慶應義塾創立150年切手贈呈式の模様が、会場前方の大スクリーンで紹介された。

プログラム終盤に披露された藤岡幸夫さん(1985年文学部卒)指揮による慶應義塾祝典曲が会場全体に流れる祝賀の空気を一層高めた。

式典には、天皇皇后両陛下の御親臨を仰ぎ、白井克彦早稲田大学総長など国内外の大学の学長をはじめとする多くの来賓の方々が登壇した。

体育会航空部によるモーターグライダーの編隊飛行が会場上空に披露される中、慶應義塾創立150年記念ファンファーレが鳴り響いた。その後、開会の辞、安西祐一郎塾長の式辞が述べられた。

安西祐一郎塾長は「創立150年の節目にあたり、慶應義塾は改めて福澤諭吉の原点に立ち戻ると共に、この節目を新たな出発点として全てのエネルギーを傾注し、歴史ある私塾としての誇りを持って日本と世界の未来のために貢献していきたい」と式辞を述べた。

式辞に続き、天皇陛下からおことばを賜った。天皇陛下は、福澤諭吉が教えた「独立自尊」の精神が日本の文化向上に寄与したことなどに触れた上で「今後も慶應義塾が国の内外で活躍する人材を数多く育て、送り出すことを期待しています」と述べられた。その後、両陛下は来賓からの祝辞や塾生代表の誓いの言葉に耳を傾けられていた。

未来先導宣言では、幼稚舎から大学院まで一貫教育校等の各校代表者が、未来への先導役として「気品の泉源、智徳の模範」たらんとした福澤以来の精神を受け継ぐことを誓った。これを受け司会の石坂さんは、「これで未来へのスタートに向けた準備が完了しましたね」と期待に胸を膨らませながら語った。

應援指導部による「未来へのエール」のもと、「若き血」「慶應讃歌」を斉唱し、幕を閉じた。