4月から新しいリーダー養成塾が始まる。現在創設に関わっている慶大4年の吉間慎一郎さんと早稲田出身の熊崎陽一さんに話を伺った。
途中塾は、ジャーナリストの故・筑紫哲也氏が開いていた勉強会から始まる。筑紫氏が他界した後、一旦閉じていたが、日本の行方と若者の将来を気にかけていた氏の意思を聞いた吉間さんは、その松明を絶やしてはならないと塾を復活させるべく動いてきた。
広く世の中で活躍するリーダーには、幅広い知識と知恵と深い思考力が欠かせない。加えて、自分の培ってきた分野だけではなく、様々な場に対応できる柔軟性が求められる。塾では自分の過去を柔軟に将来に結び付けていくという意味で「非連続のジャンプ」のできる若者を育てていきたいと考えている。とりわけ机上で学ぶだけでなく、「現場『思考』に基づいて、現場で『試行』できる現場『志向』のリーダーを育成する」という徹底した現場シコウを軸に多様な観点からカリキュラムを用意するとのこと。
例えば、著名な作家から歴史思想を学んだり、防衛省や基地に出向き、護衛艦に乗船したりもする。外交官との勉強会や、大企業の経営者が集まる「グローバルビジネス学会」にも参加する。さらに「実践的自己表現」のカリキュラムでは、劇団とタイアップして自分をうまく見せる表現の仕方を学ぶプログラムを用意しているそうだ。「実際の現場や、豊富な経験を持つプロたちから生の声を聞くことで、まず人としての土台を築いていくことが大切だ」と吉間さんは語る。
また「途中塾は文化的側面が多分に含まれている」と熊崎さんが言うように、「日本を変える」という革新的な考え方だけではなく、様々な分野の一流に触れさせ、塾生個々を希望した将来へむけて、プロデュースしていくそうだ。
互いに意見を交わし合うことを大事にしている途中塾。目標は2020年までに100人の志ある若者を生み出すことだ。その100人のジャンプが日本を変えることに繋がると信じ、現在仲間を募集している。詳しくは(http://tochu-juku.com) (武智絢子)