塾生と共に戦い半世紀


野球の早慶戦などでおなじみのマスコット、ユニコン君。塾生なら一度は目にしたことがあるだろう。今回はその実態に迫る。

ユニコン君は、一角獣の姿をしており、各体育会の応援を担う重要な存在だ。大学のマスコットではなく、あくまで應援指導部のマスコットである。身長・体重・年齢など詳細は不明で、性別が男の子であることだけ判明している。特技は草むしりと掃除で、スキップは苦手だという。

また詳細は不明だが、「ユニ子ちゃん」というキャラクターも存在している。ユニコン君の彼女では、という意見もあるが、憶測の域を出ない。

ユニコン君とユニ子ちゃんが生まれたのは1962年と、その歴史は意外に古い。当時、三田山の大ホールの3階の高欄に突然ユニコーン像が出現し、塾生や義塾当局を驚かせた。出現の細かい謎は分かっていないが、その像は塾内で親しまれるようになったため、そのままマスコットキャラクターとして定着したという。その年の秋の早慶戦では、当時マスコットだったミッキーマウスに代わって登場し、見事勝利に貢献した。

ミッキーの跡継ぎということで当初は「ミッキーコーンくん」、「ユニマウスちゃん」と呼ばれていたようだ。しかし、あるとき突然、「僕のことはユニコン君と呼んでほしい」と本人からの希望があったのだという。ユニ子ちゃんも同様に名前が決まった。

ユニコン君とユニ子ちゃんの誕生後、マスコットは一度ミッキーに戻ったことがあった。それが1984年に再びもとのユニコン君たちに戻り、現在に至る。




ユニコン君の仕事内容は、各体育会の応援や広報、企画立案だ。実際に会ってもなかなか話してくれない彼だが、その分Twitterではさまざまな情報を元気に届けてくれる。

現在、「ユニコン君お絵かき大賞2013秋」と題してユニコン君のイラストを募集している。このイラストは、秋の六大学野球早慶戦の応援グッズや、デコレーションと呼ばれる巨大看板のデザインになる。このような企画はすべてユニコン君の意思に基づいており、應援指導部全体と塾生で盛り上げていくのを目的としている。

今までお目にかかることがなかったユニ子ちゃんだが、秋には綺麗になって帰ってくるという。「秋の早慶戦では、二人の仲良し姿を見ることができるだろう」と應援指導部リーダー部責任者の近藤雄介さん(文4)は語った。
元気をもらうのは選手だけではない。一生懸命な姿は、多くの塾生の目にとまっているだろう。これからもその元気な姿を見せ、大学生活を盛り上げていってほしい。

 

(武智絢子)