関東大学サッカーリーグは前期日程が終了。開幕4連敗と調子が上がらなかったが、国士大戦で劇的な逆転勝利を収めると勢いづき続く日体大戦も勝利。桐蔭大に敗れ連勝は止まったが前期最終戦の東洋大戦でも白星を挙げ、3勝5敗1分けの8位で前半戦を終えた。 (木下俊亮・井口聡一郎・山本諭)
国士大戦○3-2 苦しみながら今季初勝利
前節を引き分け、初の勝ち点を得た慶大は10位の国士大と対戦。終盤に逆転し、今季初勝利を手にした。
前半5分に先制を許した慶大はその後もリズムに乗り切れずミスが目立つ。後半も立ち上がりに失点を喫し、苦しい展開が続く。後半10分にMF武藤(経3)のゴールで1点を返すが、依然試合は国士大ペース。流れを引き寄せたい慶大はMF近藤(総2)、小林(環3)を投入し、攻撃陣の活性化を図る。前線の武藤、小林にボールを集め、後半44分にはペナルティエリア内で相手のファウルを誘いPKを獲得。これを武藤が落ち着いて決め同点とすると、直後にDF飯高(環3)が劇的なミドルシュートを叩き込み、勝ち越し。そのまま試合は終了し、劇的な逆転勝利で待望の勝ち点3を手にした。
「全員が最後まであきらめない慶大らしいサッカーができた」(須田監督)。しかし、良い面ばかりではない。この日も立ち上がりの悪さが露呈し、苦しい時間が続いた。課題としてはディフェンス時の意識を変えるだけで克服できるものだけに改善が急がれる。
今節の勝利を浮上のきっかけとできるか、荒鷲イレブンのこれからの戦いに注目だ。
日体大戦○2-1 ペースつかみ接戦制す
雨が降りしきる中、日体大戦が行われた。須田監督は、「雨に対応するよりもいつも通り自分達のサッカーをしよう」と選手たちを送り出した。
前半14分、ロングボールを受けて裏に抜け出した増田(環3)からの折り返しにMF山田(総2)が合わせて先制ゴールを奪う。その後も慶大は多くのチャンスをつくり主導権を握ったまま前半を終える。後半も序盤から慶大はペースを掴む。後半9分、ペナルティエリア手前からの直接フリーキックを端山(総2)がゴール右上に突き刺し2点差とする。その後、日体大にPKを与え1点を返されると、押し込まれる時間が続くが最後までリードを守り切り、慶大は2―1の勝利を収めた。
前節の初勝利に引き続き緊迫した試合を制して慶大は連勝を飾った。
桐蔭大戦●1-2 隙を突かれ連勝ストップ
前節まで2連勝と流れに乗る慶大は、桐蔭大と対戦。拮抗した試合展開を見せたが、1―2と惜敗した。ここ一番でのプレーが噛み合わず、連勝はストップした。
前半は一進一退の攻防を繰り広げる。だが慶大は「前線の選手との意思疎通が上手く出来なかった」と松下(総4)が振り返るよう、決定力を欠きチャンスをものにすることができなかった。
後半に入り慶大の調子が出てきたかに見えたが、後半8分、カウンターから一瞬の隙を突かれてPKを与え、先制を許す。追いつきたい慶大は後半21分、相手キーパーが前に出ているところに、MF川田(環3)がループシュートを決め同点とする。しかし後半35分にまたもカウンターからの攻撃で失点をしてしまう。試合はそのまま終了し、最終戦に向け、弾みをつける事は出来なかった。
試合後、須田監督は、「非常にもったいない試合。改善するところは改善し、最終戦に向けてしっかり準備していきたい」と話した。
東洋大戦○2-1 攻守に収穫 後期、躍進へ
前期最終戦は東洋大と対戦。慶大は終始安定した試合運びを見せ、2―1で勝利を収めた。
開始から主導権を握った慶大は前半5分、FW端山(総2)のコーナーキックをMF武藤(経3)が合わせて先制。その後も高い位置でボールを奪ってからの速攻で、次々と東洋大ゴールに迫る。後半に入っても慶大の勢いは衰えない。11分にはドリブルで突破した武藤の折り返しをMF川田(環3)が押し込み、点差を広げる。2点をリードし、余裕を持った展開でゲームを進めていく慶大。43分にPKから失点を喫したが、粘り強い守備で東洋大の攻撃を防ぎきり、勝利を収めた。
「勝ちにこだわって戦えた」と須田監督は試合を振り返った。開幕から不安定な戦いが続き、一時は最下位に沈んだ慶大だが初勝利を挙げた国士大戦からチームの調子は確実に上がってきている。特に武藤に頼りがちだった攻撃面ではMF淡野(文3)、端山らが起点となった攻撃が増え、多彩な得点パターンが生まれた。
これからリーグ戦は中断期間に入る。その間にチームとしてさらなる成熟ができるのか。慶大イレブンの後半戦での躍進に期待したい。