終始苦しい戦いを強いられる慶大野球部
華の早慶戦が6月1日、2日に行われた。今年は早慶戦110周年という記念すべき年ではあったが勝点1同士の対戦となった。第1戦はエース白村が5回途中までに6点を失う展開で敗戦。第2戦も投手陣が序盤から大量失点してしまい、打線も早大投手陣の前に沈黙し敗戦。慶大は昨年の秋から早慶戦4連敗となった。(坪﨑駿悟)
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チーム再建に課題残す

第1戦はエース白村(商4)が5回途中までに6失点と炎上。打線は早大先発有原の粘りの投球に対して得点を挙げることができずにいたが、5回に堀野(理4)の二ゴロ間に1点を挙げ、前節の明大戦から続いていた22回連続無得点記録にようやく終止符を打つ。8回には松本大(環4)の適時三塁打、手銭(環4)の適時打などで3点を返すも反撃及ばず。4―8で第1戦を落とした。
第2戦は東大2回戦で好投した山田(環4)が先発するも前日と同様に序盤から大量得点差を背負う展開に。リリーフで登板した加嶋(商2)、菊池(環4)も早大打線の勢いを止めることはできなかった。一方、慶大打線は初回に佐藤旭(商3)の二塁打で好機を演出するなど早大投手リレーの前に度々走者を出しながらもあと一打が出ず。最後までホームが遠かった慶大は0―9で今季5度目の完封負けを喫した。早慶戦2連敗により、慶大は春季リーグ戦5位で全日程を終了した。
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今季は昨年に比べ、試合経験の浅い選手が多いことが懸念されていたが、そのことが露呈された結果となった。
投手陣では、白村(商4)を中心に挑んだものの、白村は2勝4敗で防御率4・47、24四死球とシーズンを通して制球に苦しみ昨年秋のような投球とならなかった。秋季での復活が期待される。加嶋(商2)も、粘りの投球を見せるも勝負所で抑えることができず、2敗と結果を残すことができなかった。だが唯一好材料だったのは、今季デビューした明(政3)である。立大戦で初登板し、第2戦では初勝利をマーク。チーム最多の8試合に登板し、13回で防御率0・69、12奪三振と好成績を残した。
野手陣では、チーム打率0・216と昨季と同様打線の低迷が続いている。今季は特に走者を出すものの得点することができず、12戦中5試合で完封負けを喫し早急な立て直しが求められる。打率0・313でチームトップ打率となった佐藤旭(商3)は各試合で活躍し、昨年ベストナインに選ばれたほどの実力を見せた。今季3番に座った谷田(商2)は前半戦調子が良かったものの、明大戦以降は19打数1安打と振るわず。4番の横尾(総2)は打率一割台と絶不調でクリーンナップがうまく機能しなかった。しかし好材料も見られた。藤本知(環3)は明大戦で3打点と勝利に貢献。山本泰(環2)も東大戦で逆転の3点本塁打を放つなど存在感を出し始めていた。
秋季に向けての課題は打線のつながりと投手陣の強化。1試合平均2・92点に終わった打線の強化は急務となる。また投手陣も白村に続く2番手投手の台頭が必要となってくるだろう。春季リーグを終えて堀野主将(理4)は「ダメです。それだけですね」と淡々と振り返った。しかし江藤監督からバットを短く持つよう指示を受けてからは散発ながらも少しずつ安打が出るようになったのは良かったと語る。秋季リーグに向けて「短い期間で課題をつぶし、レベルアップし、ぜひ優勝決定戦を早慶戦でやりたい」と意気込んだ。