第6校舎の奥で一人でモグモグ…

入学して1カ月たちましたが昼飯を一緒に食べる友達がいません。けれどもトイレで食べるのだけは嫌です。ぼっち飯ができる素敵な場所を教えてください。(経1男)

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「こんな依頼受ける必要ないっすよ。人目なんか気にしなきゃいいのに」とリア充の所員S(経2)は吐き捨てる。「困った人を助ける、それがこち三田なんだよ」とアツい口調で語るは所長K(理3)。ぶつぶつ言いながらもこっそり所長を尊敬しているSは調査に乗り出した。

「もしいい場所があるなら誰か使ってるだろ」と思いつつも、とりあえず日吉キャンパスをうろつく。「やっぱり青春ドラマといったら屋上だ。まずは屋上を調査してこい!」という時代錯誤なKからの指令を受け取ったSは、日吉キャンパス内の校舎の屋上をまわる。途中警備員から投げられる怪訝な視線をチクチク浴びつつ調査を敢行。しかし鍵がかかっていない屋上は一つもない。結局屋上はすべて侵入不可であることが判明した。しかしこのまま帰ったらKに怒られるのは確実。それだけは避けたいSはキャンパス内の奥地へ調査を進める。

まずは第6校舎の奥の細道を抜けると現れる秘境ゾーン(S名称)。多くのボイラーが稼働していて実にうるさいが、人けは全くない。「よし、ここで食うぞ!」と意気込んで食事開始。ここから見える武蔵小杉にそびえる高層ビル群の景色が実に素晴らしい…。だがひとつ困ったことが。「どうもオレは女だけじゃなく虫にもモテるみたいだな」とリア充Sの弁当に虫がたくさん群がってくる。ここで食べる際は殺虫剤も準備しておくといいかもしれない。

次に見つけたのは独立館2階から入れる中庭だ。ここも人っ子一人いない。しかもちゃんとベンチらしきものもある。早速Sは食事開始。程なくしてSは周りから浴びる視線に気づく。独立館は中庭に向かってガラス張りの建物になっているので授業終わりの学生たちからばっちり視線を受けてしまう。ここで食べるなら周囲の目が気にならない人におすすめだ。

ここまでの結果をKにメールするとすぐに返事が来た。「やっぱりきちんと座れて人から見られず、なおかつ屋内でトイレ以外の場所にしろ」という注文の多いK。「じゃあここしかないっすよ」と言って訪れたのは第6校舎の大教室。「ここ、授業がない日だと全然人いないしちゃんと座れますよ」と言ってぼっち飯開始。三階の吹き抜け構造になっている教室で食べていると最高にCOOL! この世のすべてを手に入れたような気分になる。あまりに気分が高揚してひとりカラオケまで始めていると、そこにはSの彼女が呆然と立っているのだった…。      (マックス)