フィールドホッケーというスポーツがある。世界ではポピュラーなスポーツだが、日本ではあまりメジャーではない。だが、慶大体育会ホッケー部には、日本代表として活躍した選手がいる。
慶應義塾高校出身の草薙和輝さん(法3)は今年、U‐21ジュニア日本代表に選出された。ポジションはゴールキーパーであり、現在は昨年12月から発足した新チームの主将を務めている。とても気さくでさわやかな人柄で、後輩からの信頼も厚い。
草薙さんがホッケーを始めたのは高校から。練習環境の良さと、同部のメンバーの人柄に惹かれ、ホッケースティックを握ることになった。内部進学ということで、今でも同じチームの一員として共に戦っている人も多い。「この先も一生の友になると思う」と言う。
大学でもホッケーを続けた理由のひとつには、高校時代にU‐18ユース日本代表に選出されなかった悔しさがあったという。そのため、1年生の秋に高校時代から痛めていた膝を手術。術後は歩くこともままならず、もう一度ホッケーができるのか不安に思った日も続いた。だが、このときの経験があったからこそ、「一度初心に帰ることができ、日本代表になるという夢をあきらめなかった」と振り返る。そして、6回の選考合宿を経て見事その夢を叶えた。「率直に嬉しかった。大学でもホッケーを続けて良かったと思った」とその時の感想を語ってくれた。
努力家の彼は学業にも手を抜いていない。「部活が忙しいという理由で学業をおろそかにするのは違う」と週6日の練習の合間に勉学に励んでいる。大学でホッケー以外にも何か成果を残したいと、ゼミでは経済法を専攻して日夜努力を続けている。
卒業後はホッケー生活に区切りをつけ、他の分野で活躍したいという草薙さんにとって、来年がホッケーに関わる最後の年になる。「日本一に最も近いチームにすることを主将として約束する」と意気込む彼をぜひ応援していきたい。 (森俊貴)