ほぼ全員が四谷キャンパスで学ぶ上智大学。そんな上智大生の素朴な疑問、「慶應ってキャンパス多くない?キャンパス移動をする学生っているらしいけど実際どんな生活を送っているんだろう~」。
そう、慶應には三田・日吉・SFC(湘南藤沢)・矢上・信濃町・芝共立があり、授業を複数のキャンパスで履修したり、部活やサークルなどのためにキャンパスをはしごする学生もいる。そこで、上智学生のそんな疑問に応えるべく、今回2人の慶大生にお話を伺った。
1人目は佐藤亜美さん(政2)。2年生にしてどうしても履修したいゼミがあったので、日吉キャンパスに在籍しながら三田キャンパスへの移動を決意。週に2回キャンパス間を移動している。1日は日吉キャンパスで選択必修の授業を受け、昼休みを過ごしたのち、三田キャンパスへ移動。もう1日は三田でゼミに参加してから、午後に日吉へ戻り語学と演習を受けている。ひとえにキャンパスを移動するといっても、その距離は遠く、苦労することもある。「日吉三田間で片道300円以上かかるので、月の電車賃が4000円近く増えます。毎回定期にチャージするのも面倒だし、移動する時間が実際少なく、毎回急がなければならないのが大変です」。ゼミなどが長引くと次の授業に間に合わないこともあり、授業を詰めて入れたことを後悔することもあるそう。「それでも三田キャンパスに行くと、日吉では会えない先輩に会うことができて楽しいです」と語る。また、日吉と三田の違いについて、「日吉の方が、塾高生がいたりスケートボードをしている学生がいたりとフレッシュで賑やかです。三田は就活生や留学生が多く、落ち着いています」と、話してくれた。
もう1人は、SFCに在籍し三田キャンパスでも講義を受けている鶴原頌太郎さん(総2)。複数のゼミに所属するため、はるばるSFCから三田まで移動を決めた。月曜日は2,3限を藤沢で授業を受け、5限のゼミまでに三田へ移動する。金曜日は一日、三田キャンパスで過ごす。鶴原さんもまた、キャンパス移動をする苦労を語る。「移動がなにより大変です。藤沢から三田というのは、もはや旅です」と笑いながら言う。その一方で、キャンパス移動をする利点も教えてくれた。「両方のキャンパスの雰囲気を感じられるのはとても貴重です。というのも、SFCにはSFCの空気があり、それはそれで好きですが、三田に行くと同じ大学でもこんなにも違うものなのかと、はっとさせられます」。確かに、SFCは豊かな緑の中にありのどかだが、三田キャンパスは東京タワーを目の前にして都会の中に位置する。三田キャンパスは全体的に落ち着いており、SFCはオープンな感じがするのだとも教えてくれた。さらに、「友達が増えたり、違う研究分野の教授など幅広く出会え、刺激を受ける頻度が確実に違う」という。
他にも複数のキャンパスをまたいで授業をとる学生は多くいる。進級単位のため、ゼミや履修したい他学部の授業があるため、部活やサークルのためなど、その理由は学生によってさまざまだが、多彩なキャンパスを持ち、その中で自分らしい学びを追求し、学生生活をアレンジできるのは慶大生の特徴かもしれない。(清水咲菜)