韓国来賓と対中関係検討
東アジア研究所と韓国政治学会は今月5日、共同シンポジウム「国交正常化後の日中・韓中関係と東アジア秩序」を開催した。日本と韓国が中国との国交を正常化してそれぞれ40周年、20周年を迎えることを記念した。
中国の台頭により東アジア秩序が大きく揺れ動いているとし、日韓両国の中国への対応について対中国交正常化および対中認識の日韓比較、日中韓関係と東アジアの秩序の観点から検討した。
言論NPO代表の工藤泰志氏は日中共同世論調査について報告。領土問題が両国関係の発展を妨げると考える層が両国共に過半数を占めているとした。
その上で、歴史問題の解決と両国関係について日中の意識のギャップがあると指摘した。同調査によると、日本人の42・7%(昨年度比3・8㌽増)は両国関係が発展しても歴史問題が解決することは困難と考えているのに対し、中国人の46・4%(昨年度比3・7㌽増)は両国関係が発展するにつれ領土問題は解決すると考えている。
高麗大の徐承元氏は、日中韓の外交が内政化しており、国内のナショナリズム的衝動に促されているとした。「ナショナリスト・ゲーム」と名付ける各国のアイデンティティ政治の対立は、ナショナリスト間の国境を超えた「敵対的な提携」を生んだと分析した。
また、ナショナリスト・ゲームは、韓中対日本という構図を定着させ、過去の歴史問題などが現在の外交問題などに結びつくリンケージ政治につながったとした。 シンポジウムは、日韓の各報告者に討論者がコメントする形で進んだ。