守備面に不安定さ残す
関東大学サッカー後期リーグが開幕。試合内容が安定しないという前期の課題から、夏の厳しいトレーニングでチーム力の底上げを行った慶大。しかし、初戦の筑波大戦では8失点で大敗。続く国士大戦では勝利を収めたが、その後の2試合では安易なミスによる失点が目立ち連敗を喫す。前期を終え8位だった順位も9位に落ち、苦しい戦いが続く。 (樫村拓真・小林知弘)
筑波大戦 ●1-8 8失点大炎上 前半で試合決まる
筑波大を相手に1―8で大敗を喫し、後期リーグ黒星発進となった。 リーグ2位の得点力を誇る筑波大相手に、無理にプレスをかけず筑波大FW陣へのボールの入り際を狙う守備意識で臨んだという。だが前半28分、その入り際への対応の遅れから先制を許す。さらに前半終了間際には、相手の素早い縦への攻撃を止められず立て続けに2失点。須田監督は「あの2点はもったいなかった」と振り返る。3点差をつけられ、この時点でほぼ試合は決まった。 ハーフタイムに下を向いてベンチに戻る選手も多かった。後半開始5分で追加点を献上、筑波大の勢いを止められない。奪った得点は後半38分のPKのみだった。 藤田主将(政4)は「情けない試合をしてしまった。とにかくインカレに向けて頑張っていきたい」と悔しさをにじませながらも前を向いた。
国士大戦 ○4-2 自信戻る 主導権握り快勝
「(前節の大敗で)チームが自信喪失していた」と話す須田監督。後期2戦目となる国士大戦は4―2とチームに自信を取り戻させる勝利となった。 前半から慶大は、得意のパスサッカーで試合の主導権を握る。15分にはMF森田(経4)のパスに反応したFW近藤(総1)が1点目。26分には相手DFのトラップミスからボールを奪ったDF岩田(総3)が2点目と、前半で2点のリードをつけた。 後半、19分にFW平戸(法2)がGKとの1対1を冷静に決め3点目。だが30分、PKを決められ1点を返されると、その直後に自陣でボールを奪われ、再度ピンチを招く。ここでGK峯(政2)が「チームを救うプレーができた」と話すファインセーブ。相手に傾きかけた流れを食い止める。 32分に森田がPKで追加点を挙げ、国士大に4―2で快勝した。
中大戦 ●2-4 後半に暗転 勝ち試合落とす
「勝てる試合。非常にもったいない」と須田監督は中大戦を振り返った。前半は中大の個人技に組織で対応しリードを奪ったが、後半にDFラインの乱れから失点し、2―4で逆転負けした。 前半は一丸となった組織守備が機能。堅い守りから流れを作った。36分、右サイドで細かくパスをつないで、左サイドへ展開。このパスを受けたMF近藤(総1)が相手GKの股を抜いて先制した。 後半、システムが乱れた。14分に中央を突破され同点ゴールを奪われると、10分後には左サイドを崩され逆転を許す。さらにコーナーキックから3点目を与えてしまう。FW武藤(経2)が1点を返すも、再び失点し反撃は及ばなかった。 「まず選手自身が変わらないと」。須田監督は、精神面での成長を課題にあげた。
明大戦 ●1―3 要所で失点 粘り切れず
3試合で14失点と守備の安定しない慶大は、後期3連勝と勢いづく明大と対戦。要所での失点が重なり、1―3で敗れた。 前半、相手の素早いサイド攻撃に苦しむ場面が目立つ。耐える時間が多かったが、最後まであきらめない守備に徹する。 終了間際に粘り切れなかった。コーナーキックのクリアミスから失点。 後半開始早々、5分にコーナーキックのチャンスを得たが、カウンターからの速攻で追加点を許す。さらに、16分にはサイドチェンジから中央に切り込まれ、3失点目。 流れを変えるべく、FW雨宮(文3)を投入すると、その雨宮からのクロスにMF森田(経4)が合わせて1点を返す。 この後、試合終了まで猛攻を見せたが、得点は奪えず、連敗を喫した。