「英語を勉強したい」。そう思いながらも、忙しい日々の中で英語とどう向き合えばいいか分からない。慶大に入学した先で英語学習に悩む塾生は、決して少なくないだろう。
大学受験におけるカリスマ英語講師として、オンライン予備校「スタディサプリ」の英語を担当する関正生先生は、慶大生こそ「骨太の英語」を身につけるべきだと主張する。果たして、「骨太の英語」とは、どのようなものだろうか。
関先生自身は慶大文学部の卒業生であるが、受験期や学生時代には、特に変わった英語の勉強はしていないと振り返る。具体的には、英語の参考書を読みあさったり、大学の授業で使う英語の資料を読んだりしていたという。
「英語学習に関しては、4技能を重視したり留学などを勧めたりと、様々な話があります。しかし、最も大切なのは、『大学の授業をしっかりこなすこと』です」と関先生は語る。大学の英語の授業は多種多様であるが、必ず「授業で扱う英文」が存在する。一つ一つの文章に集中することで、きちんとした読解力をつけることこそが「骨太の英語」であり、その力は必ず将来に役立つという。
一方で、TOEICやTOEFLなどといった資格試験の対策や、スピーキング力の養成に関しては、全力を注ぐのではなく、片手間でこなせるぐらいの余裕が欲しいと先生は話す。「資格試験やスピーキングよりも、大学の学問の習得に全力を尽くすべきです。もっとも、片手間でも勉強するからには、必ず結果を出すということが大切でしょう」
では大学ではどのような意識を持って、学問と向き合えば良いだろうか。慶大の先輩として、先生は福澤諭吉著『学問のすゝめ』をしっかり読むことが大切であると主張する。
一般に、『学問のすゝめ』は「平等」について述べられていると考えられがちであるが、実際の主張は「勉強をしないと社会では生きていけなくなる」ということだと先生は話す。「『学問のすゝめ』で述べられている強気な姿勢こそが、慶應イズムだと思います」
そして、これを踏まえて、慶應生としてどのように振る舞えばいいかについて先生は、強さと謙虚さを兼ね備えることが大切だと語る。慶大生としてのプライドを持つ一方で、慶大というブランドを過信せず、出身大学は人としての大きな尺度ではない、ということを自覚すべきだと、先生は言う。「スタディサプリを立ち上げたメンバーは、なぜか慶大の卒業生が多いです。みんなあまり意識しませんが、何かを生み出すポテンシャルがあるのかもしれないですね」
最後に、慶大を志願する受験生に向けて、関先生からメッセージを頂いた。「日吉・三田キャンパスという『パワースポット』で過ごす4年間を想像しながら、ぜひパワーを貰って欲しい。そして、合格を勝ち取って、慶大で『良い仕事のできる人間』になって欲しいと思います」
(松岡秀俊)
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