14秒に1人。これは、現在エイズ孤児と呼ばれる子どもが増える割合だ。エイズ孤児とは、親をエイズにより失った18歳未満の子どものことを指し、今やその数は1500万人にもなると言われている。
そんなエイズ孤児の現状改善を目指す団体が、エイズ孤児支援NGOプラスだ。この団体の運営を担うスタッフの半数近くが学生であり、塾生も多数参加している。今回は、学生スタッフの1人である浅野拓也さん(法1)にお話を伺った。
浅野さんがプラスに参加したのは大学1年の夏。団体が催すアフリカへのキャンプに参加し、それがエイズ孤児との出会いとなった。「彼らの力になりたい」。そんな思いを抱き渡航した浅野さんだったが、苦しいはずの子ども達の前向きな明るさから、逆に大きな力を貰ったという。
通常私たちに与えられる情報は、エイズ孤児を「かわいそう」な「死にゆく」存在としてしか描かない。しかし現地で浅野さんが出会った人々はそれだけではなかった。ネガティブな面だけでなく、苦しい中でも笑顔を忘れない彼らのポジティブな面も、彼らのありのままを伝えたい。アフリカで得たそんな思いが、活動の原動力になっているという。
そしてそのような思いは、4月7日から5月末まで行われる世界エイズ孤児キャンペーンの一貫したメッセージでもある。キャンペーンテーマは「アートを通じてエイズ孤児のことを知ってもらう」。デザインフェスタでのトークショー、表参道ヒルズでのエイズ孤児を題材とした絵本原画の展示など、アートを入り口としエンターテイメント要素を多く含んだコンテンツを展開することで、1人でも多くの人にエイズ孤児の存在を知ってもらうのが狙いだ。これに加え、学生も手軽に参加できる携帯電話からのクリック募金を導入する。
これを機会に彼らのことを少しでも知り、小さなことでもアクションを起こしてもらいたい。それが浅野さんを始めとするプラススタッフの願いだ。
(富永真樹)
エイズ孤児支援NGO・PLAS http://plas-aids.org/