小さな目標を一歩ずつ
「ミトちゃん」の愛称で親しまれ、「好きな女性アナウンサーランキング」では2013、2014年と2年連続で第一位に選ばれた。新年度が始まる今月号のインタビューに登場するのは、今を輝く塾員の一人、日本テレビアナウンサーの水ト麻美さんだ。今回は、今まであまり語られていない彼女の塾生時代を中心にお話を伺った。
親しみやすいキャラクターで人気を集める一方、昨年の24時間テレビでは総合司会に最年少で抜擢されるなど、本業においても高い評価を得ている水卜さん。しかし、塾生時代の4年間すべてが、アナウンサーの夢に向けられていた訳ではなかったようだ。
1年生のときには学業にアルバイト、サークル活動と、多くをこなす日々。日吉時代の講義では、法学や生物などの一般教養科目も印象に残っているという。学校を離れてしまえば学ぶ機会が少ないこうした分野を、それぞれの専門家である教授から学ぶことができるのも、大学ならではの経験だったと振り返る。
文学部生は2年生になると、それぞれの専攻に進む。数ある専攻の中で水卜さんが選んだのは、英米文学。学部内でも卒業することが難しいとの評判があったが、学問に集中しようとあえて進んだのだという。膨大な課題をこなしていくのは楽ではなかったが、同じ専攻の友人とはいつも一緒に講義を受けたり課題をこなしたりと、大学内では貴重で濃い人間関係を築くことができた。
他の大学生たちと変わらぬ日々を過ごしていた塾生時代。彼女が本格的にアナウンサーの夢に向かって動き始めたのは3年生の時だった。「いつも少し先の目標を立てていました。1年生はとりあえず学校に慣れて、楽しもう。2年生は、入りたいゼミに向けて勉強しよう。3年生は、アナウンサーになるために頑張ろう。4年生は、卒業しよう(笑)」。
遠い将来の夢を漠然と追うだけでなく、小さくても直近の目標を立て、ひとつずつこなしていく。そうした地道な努力を積み重ねてきた先に、今の彼女があるのだろう。
現状維持を目指していると、それすら達成できなくなるという彼女は、夢を叶えた今も、新たな目標に向かって走り続ける。「今の目標は、自分の持っている番組を、もっとポピュラーなものにすること。あとは、昨年の反省を活かして、24時間テレビの司会をまた担当できたらなと思います」。
最後に、4月から慶應に入学する新入生へ、メッセージを頂いた。
「大学では、自分がやりたいことが何でもできます。目に入ったものにはとりあえず飛び込んでみてください。美味しいランチに行くのでも、サークル活動を頑張るのでも、なんでもいいけれど、どれも時間のある今しかできないことです。まずはこれから始まる大学生活を、おもいきり楽しんでください」。
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慶應に入学したきっかっけは?
もともと私立大学が第一希望で、慶應を選んだ理由は「東京の大きな大学で、かっこいいな」という、単純なものでした。実は高校時代に入っていたバレー部の顧問の先生も、同じ学校の同じ学部なのですが、その先生が大好きだったこともきっかけの一つかもしれません。
大学時代の交友関係について教えてください。
すごく人見知りをする性格なので、実は友達作りがとっても苦手です。自分をさらけ出すのに時間がかかるタイプ。それでも高校までは、クラス単位で1年間一緒にいるので、だんだん打ち解けていくことが出来ました。ところが大学ではクラスもない。何百人という学生たちと同じ教室で授業を受けます。今までの自分でいたら、ひとりぼっちの大学生活になる!と思って、特に4月は大学には積極的に行って、サークルにも入りました。話しかけてもらった子とはちゃんと連絡を取ったりするようにして。ちょっと頑張りましたね。でも、私でも出来たから、誰でも大丈夫!とにかく、学校に行ったら、いつか声をかけてもらえるはず。顔を上げて日吉を歩いてください!と、言いたいですね(笑)。 大学のときの友達とは、いまでも仲良しです。この前も友達に会いに九州まで行ってきたり。大学でも、生涯付き合えるような友達はできると思います。
水卜さんといえば、食レポにも定評があります。学生時代の食生活はどのようでしたか。
日吉でも三田でも、やっぱりラーメンは食べていたと記憶しています。今はなくなってしまったようですが、「鍋二郎」もしました。(※三田キャンパス付近にある、慶應生御用達のラーメン店『ラーメン二郎』では、かつて鍋を持っていくと、鍋いっぱいにラーメンを作ってもらうことが出来た。このサービスを『鍋二郎』という)楽しかったですね。あとは、学食もよく利用しました。とろろご飯が大好きで、それにお肉のおかずを合わせる、というのもお気に入りでしたね。三田キャンパスにある「山食」も、もちろん利用していました。
最後に、塾生達へ、就活についてアドバイスをお願いします。
会社とのお見合いのようなものといいます。相性のいい会社と出会うためにも、なるべく色んな会社を調べてチャンスを広げるといいのかもしれません。あとは落ちたときに必要以上に落ち込まないこと。私も数々のテレビ局に落ちて、そのときは「もうここのテレビ二度と見ない!」くらい落ち込みましたが(笑)、その後は切り替えて、次に受ける会社のことを考えていました。皆さんが自分にとっていい会社と出会えるよう応援しています。頑張ってください。
(上山理紗子)